習慣HIROSE

まるで習慣のように毎日、見た映画・芝居・小説の感想を書いてます。

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2014年 演劇ベストテン

今年は136本見た。かなり減らしたつもりだったけど、そうでもなかった。どうしても見たい芝居以外は積極的には行かないようにしたけど、これだけの本数になった。(でも、呼んでもらった芝居は、出来るだけ行った。わざわざ広瀬に見て貰いたい、と思ってくれ…

コトリ会議『社会のまど解放戦線、秋』

年の瀬押し詰まった30日、京都までコトリ会議を見に行く。これが今年最後の観劇になる。 2014年の関西小劇場界は、コトリ会議の年だった。2月の大作『こりす池のともぞう』は今年のベスト作品だったし、続くアイホールを公演場所にした5月の2本立て公演…

チーターにのってダイビング『俺は赤ずきん』

平均年齢19歳(パンフには18・875歳とある)の若い集団によるフレッシュな作品。コント集のように始まる。短いエピソードを積み重ねていく。テンポがいい。でも、それも、そのうち少し単調すぎて飽きてくるけど。赤ずきんのお話はあくまでも話の枕で…

満月動物園『ツキカゲノモリ』

1年かけて5作品を連続上演するという壮大な試みだ。これまでに上演してきた「死神シリーズ」4タイトルと、その最終話になる新作を含む5作品を、この12月から3カ月ごとに、来年の12月までかけて上演する満月動物園の15周年企画。 これはその記念す…

加藤元『ひかげ旅館へいらっしゃい』

こういう心温まるお話は枚挙に暇はない。でも、またか、と思いつつも、読み始めると止まらない。単純でわかりやすく、読みやすい。まるでどこにも引っかかることなく、すらすらと読めてしまう。4話からなる連作スタイルの長編だが、各エピソードに登場するゲ…

『ST 赤と白の捜査ファイル』

こんなにも脱力系の映画を年末最後の映画として見てしまった。あまり書く気にはならないのだが、見たからちょっと書く。それにしても、「いいのか、これで2014年の映画を終えても、」なんてね。 まぁ、たまたまこれが最後になっただけで、この映画には罪…

『フルートベール駅で』

警官によって暴行を受け、射殺された22歳の青年の最後の1日(死ぬまでの24時間)を描く。その日は、1年の最期の日ではあるけど、いつもと同じ、変わりない「何でもない1日」のはずだった。殺されるなんて思いもしなかった。もちろん、いろんな問題を抱…

畑野智美『ふたつの星とタイムマシン』

畑野智美がなんとSFに挑戦した。でも、こんなのSFじゃない、と言われそうな程に、緩い。でも、このゆるさがたまらなく好き。いろんなSFがあっていいじゃん、と思う。彼女がやると、こうなるのだ。それだけのこと。7つの短編のなかで描かれるSF的設…

『アオハライド』

三木孝浩監督作品には、はずれはない。デビュー作の『ソラニン』からずっとリアルタイムで全作品を見ているけど、いつも感心させられる。そのほとんでが青春映画なのだが、いずれも同じパターンはない。たとえよく似た話であろうとも、確実に違うから、その…

『遠くでずっとそばにいる』

長澤雅彦監督の2013年作品。これがDVDになっているなんて、知らなかった。というか、昨年すでに公開されていたということすら、知らなかった。ツタヤでたまたま見つけて、すぐに借りてきた。それにしても彼の新作を見逃していたなんて、ショックだ。…

『ホビット 決戦のゆくえ』

3部作の完結編。ようやくこの大河ドラマが完結を迎える、ということよりも、先の2本見たから仕方なく見た、って感じ。『ロード・オブ・ザ・リング』3部作はそれなりに楽しめたけど、今回の3部作はつまらない。 技術的にはすばらしい進歩だろうけど、問題…

Nyan SELECT 2014

今年で8年目を迎えたNYANが、今年も送る年末恒例のNyan SELECTを見てきた 。今回の5団体は僕の知らない人たちばかりだ。例年、普段から見ている劇団が参加しているから、まず、彼らの作品を見るために行く、というスタンスだった。そのついでに(というと、…

『日々ロック』

入江悠監督の初メジャー映画だ。しかも彼はこの後1月、東宝のスパイアクション大作である『ジョーカー・ゲーム』の公開を控えている。これからもたぶん怒濤の快進撃を続ける彼の記念すべきメジャーデビューを目撃せよ! と、いうことで、なんばパークスシネ…

『ミシェル・ゴンドリーの世界一周』

東京都現代美術館で開催中(9月27日から2015年1月4日まで)のこの企画展が面白い。こういうマイナーな催しを3カ月以上に亙って開催し、確実に観客を動員するってところが東京の凄さだろう。大阪でこの企画は成り立たない。ここは「ゴンドリーって…

大阪新撰組 新人公演『囲』

4人の新人のための4話からなるオムニバス。それぞれが2人芝居で、ベテランと新人がタッグを組んで挑む。なんだか、微笑ましい企画ではないか。昔ながらの徒弟制度がそこにはあり、ベテランの胸を借りて若い役者たちが公演を通して成長する。この作品を経…

『ビフォア・ミッドナイト』

12年かけて1本の映画を作った(『6才のボクが大人になるまで』)リチャード・リンクレイター監督が、それ以上の歳月(18年)をかけて取り組んだ3部作の完結編。いや、そうではない。まだこれは進化形かもしれない。 第1作の『ビフォア・サンライズ …

『エンド・オブ・ウォッチ』

これを見なければ、と思った。この秋から冬にかけて彼の2本の映画を続けて見た。まずは『サボタージュ』だ。がっかりした。久々のシュワルツェネッガー渾身の一作と期待しただけに、肩すかしを食らった気分だった。なぜ、ダメだったのか、考えた。中途半端…

角田光代『平凡』

この6つの作品からなる短編集の描く「もしも」は、今の僕には重くて痛い。人生の半分以上を過ぎて、なんとなくもう先が見えたような気になっていたけど、本当はそうじゃない。いつ何が起こるかなんてわからない。母親のけがから介護問題に至る一連の流れの…

『バンクーバーの朝日』

石井裕也監督がこれだけの大作を任されて、引き受けた。もう後戻りはできない。もちろん、失敗は許されない。昨年の映画賞を総なめした『舟を編む』の後、今年は家族の問題を描く『ぼくたちの家族』を撮った。どちらも、小さな話だった。だが、それまでの彼…

劇団きづがわ『東の風が吹くとき』

老夫婦の話だ。震災とその後に起きた原発事故によってすべてを失ってしまった。先日見た映画『おだやかな日常』と同じように、震災直後からスタートする。厳密にはこの芝居は、震災から5日後の夕刻だが、まだ、状況も明確にならない状態で、不安と混乱の中…

缶の階『舞台編』『客席編』

この作品にはタイトルがない。チラシには大きく「劇場を舞台にした二つの作品を上演します」とある。だが、その作品のタイトルはどこにも書かれていない。舞台編『ヒーローに見えない男 缶コーヒーを持つ男』、客席編『椅子に座る女 椅子を並べる男』と、書…

坂木司『ワーキング・ホリデー』『ウインター・ホリデー』

こういう軽い小説ばかり読んでいると、重量級の作品が読めなくなるかも、なんて心配するほどに、読みやすい。400頁ほどの作品が、2日ほどで読める。(もちろん、基本は電車の往復2時間だ)1時間で100ページというのは、かなり早い。先が読める話で…

『チェイス!』

インド映画の底力をまざまざと見せつけられる。昨年の大傑作『きっと、うまくいく』と『ロボット』を融合させて、さらには今までのインド映画(「マサラムービー」とか言われてきたものね)の全力を加味した作品。ここに「インド映画」極まる。しかもインド…

極東退屈道場『ガベコレ』

2度の準備公演を経て、ようやくの本公演だ。ここまで入念に準備したのは、この作品が今まで以上に危うい世界を描くためだ。立ち止まることなく、どんどん進化していく林慎一郎が今回、コラージュして、ルポするのは都市の未来と現在。地下鉄、駐車場と続い…

スアシ倶楽部『私はもう帰らない。』

三好淑子さんがようやく「普通のお芝居」に挑む。待ちに待った作品だ。井上荒野の長編作品(『雉猫心中』)を題材にして、ふたりの男女の心のドラマを緊密な空間の中で描く。原作小説からイメージのみを借用して、お話は追わない。登場人物もふたりだけ。彼…

Super Mountains CLUB『笑う彼等には福は来る!?』

これはあんまりだ、と思った。お話としてリアリティがない。なさすぎ。そのいいかげんな展開は言語道断。説得力のかけらもないこのお話を大真面目に演じる。だが、彼らはなんだか楽しそうだ。虚構でしかない物語の世界を満喫しているみたいなのだ。何なんだ…

万城目学『孫悟空出立』

5編の短編からなる連作だ。それぞれのエピソードは中国の古典や人物に依拠する。もちろん最初の表題作は『西遊記』だし、その後も、『三国志』、『史記』四面楚歌、始皇帝暗殺、司馬遷、と超有名エピソードが登場する。誰もが知るキャラクターの意外な側面…

『西遊記 はじまりのはじまり』

この映画を見た直後にたまたま『悟空出立』という本を読んだ。このタイトルなのに、主人公は沙悟浄である。彼の視点から見た自分たちの旅を描く。また、いつものように悟空がいない時に妖怪たちに拉致される自分たち。やがて、悟空が帰ってきて、助けられ、…

『おだやかな日常』

これは3・11の当日から、数日間のお話だ。あの時、思ったこと、感じたもの。それを二組の夫婦を通して描く。2012年作品ということに驚く。冷静に状況を踏まえて描くのではない。リアルタイムの先の見えない状況こそ、描くべきものと見据え、今ある真…

『想いのこし』

『ツナグ』の監督平川雄一朗が、また、同じパターンの映画に挑戦した。今回は、突然の事故でこの世に想いを残したまま(そのシチュエーションなら誰もがそうだろうけど)死んでしまった4人が、彼らを死なすきっかけとなった男に取りつく話。岡田将生演じる…