習慣HIROSE

まるで習慣のように毎日、見た映画・芝居・小説の感想を書いてます。

2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』②

大九明子監督が挑む究極の恋愛映画。萩原利久と河合優美、そして伊東蒼が主演する。大学生のキャンパスライフを描く青春映画。ただこの少し持って回した言い回しのタイトルが象徴するように、単純に爽やかな映画だとは言い切れないもどかしさが作品の要にな…

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 』

この長いタイトルが覚えられない。というか最近映画のタイトルがまるで覚えられない。困ったもんだ。役者の名前もなかなか出てこない。それどころか、生徒の名前すら覚えられない。老眼だから眼鏡を外して授業するから顔すら覚えてないし。まぁもうフルタイ…

小野寺史宜『ディア・オールド・ニュータウン』

小野寺さんの新作はいつも変わりなく優しい。これは馴染みの町、みつばを舞台にした作品。父の遺したそば屋を引き継いでこの町で暮らすことになる青年のお話。小路幸也の次は小野寺さんかぁ、と思う。たまたま連続してふたりの小説を読んだだけ。ただ、ふた…

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』

これは絶賛公開中の新作ではない。昨年大ヒットした作品である。この映画は念願の100億越えを2年連続で達成しただけでない。コナン映画史上最高の(なんと!)興業成績150億越えまでをも成し遂げたそんな記念碑的作品。だからといってこれがシリーズ最高傑…

小路幸也『A DAY IN YOUR LIFE』

あるラジオ番組のパーソナリティを務める小説家、槇村。深夜11時から1時間の番組だ。そこでは誰にもある特別な1日を紹介している。しかしお話の根底には彼が遭遇した7歳の頃の不思議な出来事がある。それが気になって、そこから始まる物語。小路幸也は相変…

『けものがいる』

何がなんだかまるでわからない映画だ。こういうのばかり上映していると、テアトル梅田は信用を失くすのではないか。なんでもかんでも劇場公開すればいい、というわけじゃないはず。この日見た2本がいずれも期待はずれだっただけでなく、これ以外でも、最近は…

『メイデン』

僕はこれを買わない。こういうインディペンデント映画の独りよがりに付き合うヒマはない。もちろん悪い映画だとは思わないけど、もうこういうのは避ける。不必要な長回し。それは僕たちをどこにも連れて行ってくれない。作り手だけが悦に入っているだけで意…

僕のマリ『記憶を食む』

食にまつわるエッセイ集。『キッチン常夜灯』と並行して読む。こんなにもどうでもいいエッセイをわざわざ時間を割いて読んでいるってバカみたい、とも思う。だけどこういうムダな時間が大事なのではないか、とも思う。たわいない日々の雑感をとりとめもなく…

長月天音『キッチン常夜灯 ほろ酔いのタルトタタン』

シリーズ第3作になるお仕事料理小説。これを読んだからって何がどうなるわけでもないけど、読んでいる間は楽しいし、ほっこりした気分にはなれる。読み終えたらすぐに忘れてしまうから何も残らないけど。こういうのをムダだと思うか、これを幸せだと思うかは…

花形落語家フェスティバル 桂小鯛、雀太

落語は苦手だけど、妻が風邪をひいて寝込んでいるから、代打で天満天神繁昌亭に2日通った。彼女が買っていた落語のチケットを無駄にしないために代わりに見に行ってきたのだ。これは4月1日から5月1日まで連日昼席で行われている新進落語家のショーケース。…

逆転ロマンス『4047』

これも近畿大学舞台芸術科有志団体による新入生歓迎公演。前回の『鬱憤』も見事だったから期待は高まる。これは熱意溢れる学生による拙いけど気持ちのいい芝居ではない。それどころか、そのへんの中堅劇団なんて到底及ばない力作であり大傑作だ。脚本、演出…

デビット・リンチ追悼

今更書くのも何なんだが、今年の1月、リンチが亡くなった。あれから3ヶ月が経つ。先日ビリー・ワイルダーの『アパートの鍵貸します』を見てふとリンチを思い出した。リンチはあの映画が好きだったらしい。あれを再見した時、僕はテリー・ギリアムの『未来世…

村田沙耶香『世界99』  下

下巻は49歳になった空子。あれから14年後の世界が描かれる。しかも今回は完結編である。20歳まで、35歳と続いて49歳。しかもこれが420ページ越えの大長編。一応4章が続くがこれは空子が亡くなった後のエピローグでしかないし、10ページにも満たない。読んで…

『花まんま』

前田哲監督の新作だ。彼の映画は毎年続々と公開される。いずれも笑わせて泣かせるヒューマンドラマ。あまりにそればかりが続くから心配するくらい。だけど本人は平然とオファーを受けて毎回感動的な映画を提示していく。これはこれで立派だ。今回は鈴木亮平…

『ゴールデンカムイ 北海道囚人争奪編』5〜9話

後半戦に突入してどんどん面白くなっていく。これは荒唐無稽の漫画だよな、と居直って見るといろんなことが気にならない。いや、純粋にただただ楽しい。リアリティなんてどうでもいいバカバカしい食レポや笑わせてくれる軽いギャグが無作為にシリアスなお話…

『アラーニェの虫籠』

昨日見た『アムリタの饗宴』の前作。というかこれが本編でアムリタはその後日譚という位置付けらしい。2018年作品のリファイン版。こちらは73分の長編映画。坂本サク監督の美意識に貫かれたホラーファンタジー。映画としては『アムリタの饗宴』には及ばない…

『新幹線大爆破』

75年に公開されたパニック映画超大作のリブート。東映が『大地震』『エアポート75』のヒットを受けて安易に企画した便乗映画だったはずなのに、歴史に残る大傑作になった。あの年この映画を見たことを僕は忘れない。高校生だった。高校2年の夏、お風呂屋(昔…

村田沙耶香『世界99 』上

上下2巻でそれぞれ400ページ越えの大作である。主人公の如月空子10歳からスタートして、4歳まで遡りながらのクロニクル。140ページで20歳。250ページで35歳。ここから第2章。「上」はこのふたつの章からなる。人格を呼応、トレースして状況や集団に応じて…

『破墓 パミョ』

チェ・ミンシク主演の大作ホラー映画だ。昨年韓国で大ヒットした作品である。だけど、これはなんだかわけのわからない映画である。エンタメホラーなのだけど、なんだか深刻な描写が続く。アメリカと韓国を舞台にして、今起きている祟りが過去の出来事とつな…

『アムリタの饗宴』

こんなアニメ映画がある。膨大なアニメ映画やTVシリーズから一握りの作品を見る。ピックアップする基準はない。まず長いのは無理。この国にはあまりの数多くのアニメ作品が溢れているから目移りする以前の状態で、何がなんだか。そんな数ある作品の中から今…

一木けい『結論それなの、愛』

バンコク滞在中の駐妻。夫とは心も身体も離れている。孤独の中で暮らす日々に優しく付け入る現地の青年に心を許す。海外で暮らす日本人妻の不倫を描く。だけどそれが読んでいてあまり嫌ではない。嫌らしいこともない。ただ寂しい。彼女たちの孤独に寄り添う…

原田ひ香『その復讐、お預かりします』

原田ひ香の新作かと思ったら2018年の『復讐屋成海慶介の事件簿』を改題した新装版だった。騙された気分。これは7年前に読んでいる。(たぶん)だけど内容を忘れていたから読み返してしまった。(きっと)このブログで検索して調べたらやはり読んでいた。201…

『ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編』

wowowで放送されたドラマシリーズがNetflixでの配信がスタートした。早速1話を見たが、あまりのつまらなさにガッカリして2話以降を見てなかったし、わざわざここで書くまでもないと思っていた。だけど、昨日2話から4話までを見て少しだけ、書きたくなった…

青山美智子 ほか5名『泣きたい午後のご褒美』

ポプラ文庫のアンソロジー・シリーズの新刊。先日『猫さえいれば、たいていのことはうまくいく』を読んだばかりだけど、早くも新作が出版された。ただこういうのが、通勤電車にはいい。『眠らぬ夜のご褒美』もよかったから、今回も少し期待して読む。最初に…

春風2025『どないやねん』

鶴橋のビルの一室を劇場に仕立て直し、公演をされているらしい。既に5年目に突入。キャパは最大30。そんなイズムスタジオというところに今回初めて行く。開演前には作・演出の太田浩司さんによる(ギターを弾きながらの)おしゃべりがある。水族館を舞台に…

お笑いサタケ道場『ソウルメイト』②

初日に見た「雷鳴スピッツ」に続いて楽日に「疾風のチワワ」を見た。これは二部作ではない。2班構成による別のキャストによる上演だ。演出を変えている訳ではないから基本同じ芝居である。ということで、久しぶりに同じ芝居を2度見ることになった。ダブルキ…

あおはるだん『幕末青春伝 reboot』

第46回大阪春の演劇まつり参加作品。今年の春演ファーストランナーで、しかも旗揚げ公演である。公演会場はなんと吹田メイシアターの中ホール。これだけのキャパのホールで1回限りの公演を打つ。なんだがそれだけでドキドキするじゃないか。吹田メイシアタ…

万能グローブガラパゴスダイナモス×ゴジゲン×小山田壮平『見上げんな!』

福岡市民ホールオープン記念公演。松居大悟の映画はほぼ全部見てるけど、彼の芝居を見るのは初めてだ。福岡発のコラボ企画大阪公演。万能グローブガラパゴスダイナモスの芝居も初体験になる。そこに福岡出身のミュージシャン小山田壮平も加わる。2時間、と…

夏木志朋『Nの逸脱』

「日常の奈落へ、ようこそ」という帯の文言がこんなにもぴったりくる作品である。上手すぎて、月並みなほど。いや皮肉ではない。驚嘆している。これはそんなレベルの作品ではない。最初の『場違いな客』を読む。軽い気持ちで読み始めた。だけどこの軽さが怖…

『ゲバルトの杜』

これは昨年5月に公開されたドキュメンタリー映画。ようやく配信が始まった。代島治彦監督作品。第53回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した樋田毅のルポルタージュ「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」を原案にした。劇中劇として鴻上尚史…